現場日記

産婦人科医院が出来るまで⑤| 木の医院

用途は動線、機能、要望、敷地条件などが絡み合い複雑なものであるが、それを明快な構造で解けたときに、クライアントに提案できる計画になったと感じる。私たちが計画する際、どの計画であっても基準となるモデュールや寸法を用いるようにしている。この建物はお産する病室を基準として2,730mmを反復している。それを元に面積の異なる大小の部屋を動線を解きながら組み合わせていった。
この建物は木造だが、用途と規模により内装制限という法規がかかるため、壁と天井の仕上げは木の構造材、板張り、仕上げ合板ですら現しにすることができない。クライアントから木造の医院を喜んで頂いていたのに、仕上がると木が殆ど見えないという捩れをなんとか解消したく、可能な範囲で木が見える仕上げを選定した。構造材を全て隠蔽することになっても、木を感じられる建築を作りたいと考えた。つづく

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