敷 地|工業団地、緑の斜面

用 途|自動車デザイン、コンセプトモデル制作等

要 望|機密性を確保しながら明るく開放的な作業空間

面 積|建築面積: 1978.88㎡ 延床面積:2320.14㎡

概要|

自動車等のデザイン開発を行う企業の計画である。建物が企業価値を高めること、訪れる人や働く人にとって最適な環境を提供すること、工場や生産施設の新しいあり方、周辺丘陵地の計画への活かし方など、長期にわたりこの建物がより良いものになるように、複数のテーマを立てて計画に取り組んだ。

しかし、デザイン開発を行っているため、高い機密性がもとめられ、安易に内外をつなぐことは難しい。外部に対して閉じながら、同時に自然光で明るく、かつ開放的な空間に仕立てるといった相反する状況を統合することが求められた。


スタジオ|中庭を設けることで機密性を保ちながら、自然光を取り入れ、視界も外部へと抜けていく。
     高反射の床材を用いることで空や周辺のうつろいが床に映る。


作業場|建物中央に位置する作業場はすべての工程と関わるスペースである。
    規模が大きくなるほど建物中央部は窓からの採光が届かず暗くなりがちである。
    そこでこの部屋は屋根を支えるトラスを用いて開口を設けた。
    北側からの自然光は色温度が安定し、業務に支障なく自然光を得られるといった利点がある。
    自然光を柔らかい間接光として室内に拡散するために様々な屋根の構造検討を行った。


通路|スタジオの上部に屋上通路を設け休憩時間に周辺の自然を感じながらくつろぐ場所を設けた。
   通常建物に一旦入ると、終日内部空間に滞在することになってしまうが、この建物では動線が外部化しており
   閉鎖的になりがちな生産施設に、周辺環境を活かした自然との接点が設けられている。
   手摺壁の下は高窓となっており、下階の採光及び自然換気口となっている。


地場素材|地場の土を用いて、瀬戸市のダイワセラミックス社との協働によりオリジナルタイルを製作した。
     地場素材は地域の魅力を個性豊かに伝える手段の一つであり、建物に固有の魅力を与えることが出来る。
     歴史の長い素材であるが、様々な形状や彩への柔軟性が、企業理念に添う素材であると考え提案を行った。

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