敷 地|住宅地
用 途|住宅
要 望|子供たちと楽しく暮らせる家
面 積|建築面積:62.00㎡ 延床面積:109.47㎡
概 要|
敷地は新たに造成された住宅地の一角である。周囲からプライバシーを確保しながら庭と繋がる1階での生活と、家族がそれぞれの居場所を持ちながら緩やかにつながるプライベートな2階での生活が求められた。1階は必要最小限の窓を計画したのち南側に掃き出しサッシを設けて内外が連続するように計画した。平面的には来客との食事会が度々あるということで全体が見渡せるワンルームになっている。佇む場所によって異なる風景が展開するように計画しており、壁によって閉じた印象と、遠方まで視界が抜ける開放的な印象をあわせ持つ空間となっている。
2階は屋根を窪ませ、寝室には包容感を、廊下など移動空間には開放感を「スケール」を用いて提案している。屋根の隙間からは自然光が射し外周部の壁面は光によって2階全体を柔らかく包みこむ。
日本の住宅における問題のひとつとしてプライバシーを重要視することで子供が家族の中で孤立することがあげられる。ここでは3つの子供部屋がスペースを共有することで緩やかに繋がる状況をつくり、ここでも学習、収納、就寝といった機能に応じた「スケール」を提案している。寝室が集まる2階ではどの部屋も中庭と繋がっており住宅地であるが自然と隣り合う開放的なものとなっている。住宅地という敷地環境においても、微差を探しそれを手がかりに計画を進めていくと新たな発見に繋がることがある。敷地のコンテクストとクライアントの要望が混ざり合うことで普遍性と特殊解をあわせ持つような状態が作れたらと考えている。