敷 地|工場と畑の間
用 途|住宅
要 望|周辺に対して閉じることと開くこと
面 積|建築面積:74.53㎡ 延床面積:115.54㎡
概 要|
敷地周囲は工場と駐車場および畑が点在している。クライアントからは、プライバシーを確保するため建物を「閉じること」と庭にむけて「開くこと」の双方が求められた。敷地は両親の土地を分筆した旗竿状になっていた。そこで、旗竿敷地の路地部分に小さな帯状のヴォリュームを配置し、敷地奥にむけて複数の帯が連なる配置計画を行った。その際、既存植栽を避け、また新たな庭を敷地奥に設けることを提案した。細長い帯は多人数で集まる部屋では重なり、幅のある空間として用途に対応している。断面計画として、近隣への圧迫感低減、プライバシー確保、畑への日射取得ため、勾配屋根を採用し周辺に向けて低く構えた。屋根の間は開口とし、外部環境を取り込めるように計画した。この住宅は、1階では畑や庭など、暮らしが外部環境に広がっていき、2階(寝室)では、就寝時や座位時に周囲の視線や建物を遮断しながら、空へと視界が広がる。ひとつの建物の中に「地面」と「空」といった多様な外部環境とのつながりが実現しており、この場所での暮らしを豊かなものにしている。