敷 地|住宅地
用 途|産婦人科医院
要 望|吉村医院の理念を継承、自然を感じる環境、コンパクトで機能的、体に優しい素材
面 積|建築面積:286.44㎡ 延床面積:490.35㎡
概 要|
自然なお産を現代に取り入れている産婦人科医院の計画である。長くこの地で親しまれてきた産婦人科医院を継承して、建物の老朽化に伴い新たに建て替えを行った。計画は医院の理念に合わせて、自然を活かし、自然と人をつなぐ建築にしたいと考えた。
街路と建築をつなぐアプローチは、おおらかなスケールをもつ木の門になっている。来院される方の不安や緊張感を緩和することと、門型にすることで入出時のプライバシーの確保と、雨天時も余裕を持って出入りできるといった利点がある。室内は様々な種類の自然光によって明るく心地の良い空間となっている。待合室の先には庭を設え、季節の良い時は自然風を取り込むことも出来る。暗くなりがちな廊下は天井を高くし、高窓を設けることで、陽が差し、風がそよぐ自然のなかにいるような環境になっている。出産は和室の個室で行い、出産後も個室で過ごす。個室にはトイレ、洗面のほか、テラスが設けられており、外からの視線を遮断しながら光や風を採り入れられるようになっている。構造は地元岡崎市産のヒノキを用いた木造となっており、手が触れる手摺や光が透過するルーバーなどにも同様のヒノキを用いている。どの部屋にいても、いつも自然光で明るく、清潔で、心地良く、安心して頂けるよう計画をおこなった。
この計画は5社の設計競技を経て佐々木事務所が選定されている。平面提案、複数のCGイメージ、大型模型によるプレゼンテーションのほか、他社と比較して建設費が4割程下がる提案だったことが選定理由として上げられた。コスト管理を含め、木造住宅で培ってきた経験が中規模建築でも活かされている。