この医院では妊婦さんは陣痛から出産、出産後までひとつの部屋で過ごされます。これは既存の吉村医院と同じで畳の上にお布団を敷き、ご出産されます。現代医療のもと多くの薬や医療器具に頼るのではなく、人間本来の力で出産を迎えるという考え方です。私たちのクライアントも吉村医院でご出産されており安産だったそうです。
新しくできる部屋はトイレと洗面室および洗濯物が干せるテラスを完備。内装は湿気を吸収し空気を浄化する素材を用いており壁内は吸音材を充填。断熱は高性能のものを使用し出来る限り空調に頼らず妊婦さんの負担にならない室内環境を目指しました。また肌に触れる畳は国産イグサの中でも最高品質の無農薬栽培のものを使用し、地元岡崎の職人さんによる製作。写真では伝わりづらい目に見えないところで、様々な調査と検討、提案を行いました。
採光計画としては南からの強い日射を手摺壁、ブラインド、障子の三層で調整し室内が柔らかい空間になるように。障子は職人さんの熟練された技術による繊細な格子として陽のうつろいを映し出してくれます。ちなみに外国の方も多いため、洋室も完備しています。つづく
現場日記